Web3.0 Journey! Episode 04 : 落合陽一 サマースクール 2023 - 岩手町編 -

Web3.0 Journey! Episode 04 : 落合陽一 サマースクール 2023 - 岩手町編 -

by 草生 慶子

本記事は連載記事「Web3.0 Journey!」の第5回目です

過去記事はこちら
>>Web3.0 Journey! Episode 03 : 行動実績証明NFT+サイキックNFT
>>Web3.0 Journey! Episode 02 : NFTアート作品購入という体験
>>Web3.0 Journey! Episode 01 : 開かれた、扉
>>Web3.0 Journey! Episode 00 : それぞれが輝く、希望と可能性溢れる世界へ


こんにちは!

今年もカリキュラムが終わると卒業証明書としてNFTが発行されるサマースクール「落合陽一サマースクール2023 - 岩手町編 - 」に参加してきました。

*昨年参加した時の様子はこちら

個人的にはWeb3.0視点から「昨年から進化したところや新しい体験はあるのだろうか?」という期待を胸に訪れました。

しかし予想をはるかに超える体験をし、帰宅後はしばらく受け取った情報の多さで頭がいっぱいになりました。

今回の記事では実際に体験した新技術や3日間のプログラムを通して感じたことなどシェアしたいと思います。

移動時から始まるWeb3.0 Journey


事前に行う作業がいくつかあったので、移動時間を利用して準備を始めました。

  1. Googleアカウント/Gmailアドレスの取得 
    *unWalletのウォレット取得に必要になる
  2. unWalletアカウントの登録とWalletアドレスの取得
  3. アンケート : 30個の質問に答えて診断結果を取得


私は既にunWalletを持っていたので、3のアンケートのみ取り掛かりました。

まず自身のウォレットと診断を行うアンケートのアプリケーションを連携させます。

連携以降はどんどん質問に答えていくのですが、その内容に私は少し違和感を感じていました。

というのも1つの質問に対して4つの選択肢の中から回答するのですが、提示される4択のほとんどが自分の感覚とは一致しないものだったからです。

"その他"という選択肢がなかったので、与えられた4択の中から選ばないと先に進むことができません。

そして最後の質問が終わり「あなたは◯◯タイプです」みたいな診断結果が表示された時、

待って!

まさか!!!

ウォレットに入ってる!?


すぐに自分のウォレットを確認したら、予想通りその診断結果はNFTとして私のウォレットに入っていました。


終わった…





削除したい、でもブロックチェーン上に記録されているから削除できない。

何もできない、このままだ…


なぜこんな気持ちになったのかというと「ウォレット=個人の価値観が詰まったもの、自分自身のアイデンティティを表現するもの」という理解でいるからです。

なので自分じゃないものがウォレットに入ってしまったことがショックで。

「◯◯タイプって…私じゃないのに」

でもこんな気持ちのままいたくないので、一旦ニュートラルな視点に戻そうと思いました。

「そもそもこの質問に答える人ってどんな人だっけ?」

このアンケートに答えるのはサマースクール参加者。

その参加者はどんな人かというと、対象は小学生〜中学生。
*卒業生であれば高校生や大学生でも参加可能

つまり大人の私がこのアンケートに答えてることの方が異質だな、と気づいたんです。

だとすると私が小学生だったらウォレットの捉え方をここまで意識してるのかな?

それよりもクイズみたいなゲーム感覚で質問に答え、その結果、診断書をバッジ(NFT)としてもらった!みたいな体験をすること自体に価値があるのではないか?

その視点に立つともやもやしてた気持ちは晴れ、この診断を体験することの楽しさや意義に気づくことができました。


ブロックチェーンは信頼性や透明性をもたらすものの、今回のように変更や削除が難しい面もあります。

なのでその特性を理解し、使い手側も適切に活用することが大切だということを改めて感じた出来事でした。

(まだ開催地へも到着していないのに既に学びが始まっています)


学びスタート!


今回のサマースクールの目的は「生成AIを用いた作品創作を通して、楽しみながら情報スキルが身につき、自発性や問題解決力を育むこと」。

具体的には、ChatGPT(テキスト生成AI)やRunway(動画生成AI)を活用し、それぞれが生み出す物語を映像作品を通して表現します。

初日の座学の際、講義が始まる前のイントロダクションで、印象に残った言葉がありました。

「AIの使い方を習うというより ”作りたいな” って思えるようにする」

ただ技術を学ぶだけではなく、その技術を使って「何を作りたいのか」、どのような物語を「伝えたいのか」に焦点を当て、取り組む大切さを学ぶこと。

外側の技術的なスキルだけではなく、内側の創造的な情熱やビジョンを育てることが今回の学びの本質なのかな、と。

そしてこういった本質的な話をしてくれる大人に出会えることも、このサマースクールの魅力の1つだなぁ、そんな風に感じていました。

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講義では落合さん始め、様々なカタチでサポート頂いている方々からお話を伺いました。

「生成AI入門」の講義や、SDGs未来都市・岩手町の取り組みを見学する製材所訪問など、貴重な体験もありました。

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2日目の朝にはみんなでラジオ体操を。

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実演してくれたのは昨年の山口開催の卒業生で、このような縦のつながりができるのも卒業生だと証明できるNFTを持つサマースクール生特有のものだと感じました。

伝える力の重要性


今回のカリキュラムの中心でもあった生成AIを用いた作品創作を通して、私自身最も印象に残ったのは「伝える力」「コミュニケーションの重要性」でした。

ChatGPTやRunwayのようなAIツールを使用する際、自身の想像の中で生まれる物語や映像を具体的に表現するためには、まず自分の中で明確なビジョンを持ち、それを正確にAIに伝えなければなりません。

それは小学生だからとか大人だからとか関係なくて、質問し、返ってきた答えに対してまた自分で考え質問する、(AIと)コミュニケーションを取りながら作り上げていく。

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私の隣は小学5年生の子だったのですが、最初は講師のサポートを受けながら、けれど次第に要領を覚え、どんどん自分で創造していくんです。

そして自分の満足するものが出来上がるまで何度も何度もAIと対話し、試してみる。

Runwayには英語で伝えなければならないのですが、それだって問題ありません。

なぜならChatGPTが英語に翻訳してくれるから。

私なんかより断然使いこなしていて、とても楽しそうだったんです。

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そして誰一人としてドロップアウトすることなく、それぞれが満足する作品を作り上げ、プレゼンテーションの場で堂々と発表していた姿はとても印象的でした。

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作り終えた作品は「Infinite Objects」に入り、作品として製品化されました。

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製品化とはどういうことかというと、NFTアート作品としてマーケットに公開されたということなんです。

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*参加者は自身の作品が入ったInfinite Objects背面にあるQRコードを読み取ることで確認することができる


そして作品作りを通して得た活動実績が、NFTアートというカタチで自身のウォレットにも残りました。






最終日のプレゼンが終わった後には卒業証明書として落合さんからNFTの授与がありました。

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仮想空間上のコントラクトウォレットでNFTを取得するだけでなく、ソニーが開発したICカード型ハードウェアウォレットでも同様にNFTを取得。

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*コントラクトウォレット
コア機能がスマートコントラクトで実装されたウォレットの総称。NFTやブロックチェーンについての知識を持たないユーザーが、一般的なWebアプリケーションと同様のUXでNFTを管理できる自己主権型ウォレットサービスを実現できる。


この光景を見た時、もしかするとこれから先「初めて使うウォレットはICカード型ハードウェアウォレットです」という人が増えてくるかも、そんなことを思っていました。



そして私が興奮したことはまだあります。

(今回は本当に驚きと興奮がたくさん!)

それは…

取得したNFTを地図アプリ上で確認ができるようになったこと!

つまり取得したNFTに地理空間情報が紐づけられたということなんです。

*地図アプリ : プロトタイプ版

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しかも空間情報の紐付け方と1EdTechが定めた国際技術標準であるオープンバッジがコンテンツとして埋め込まれたNFTを地図、学習履歴と連動させることを可能にしたのは世界初!


震えるっ!





オープンバッジ:(Open Badges)は、技術標準規格にそって発行されるデジタル証明/認証  - Wikipediaより-

特定のスキル、成果、資格などを示すデジタルバッジであり、これらのバッジはオンライン学習プラットフォームや教育機関で取得でき、スキルや実績を証明するのに使用されます。


地図を見てわかるように、参加者の作品や体験情報は地理空間に配置されたNFTとして確認することができ、それは個人のものだけではなく、他の人のNFTも確認することができます。

これが可能になったということは、

追体験可能なトークンを発行できる未来にまた一歩近づいたということ!


連載当初から想いは変わらず、私は「個人の経験が価値になる」「経験を他者と共有できる」追体験可能なトークンを個人が発行できる未来を心待ちにしています。

*"個人の経験が価値になる追体験可能なトークン"についての記事はこちら

なのでこういった開発の進歩を目の当たりにする度「あぁ、近づいてきた!」「(開発してくれて)ありがとう!」って心底思うんです。

以前の記事、サイキックNFTの体験ではNFTが実空間で活用できるところまで開発が進んだことを実感しました。

私が初めて追体験可能なトークンの発想を聞いたのが約1年半前。

その時は「これが社会で活用されるようになるのは5年〜10年先の話だと思います。」と聞いていました。

そこから"Web3.0 Journey!"と題した体験記を綴りはじめて、リアルタイムでの出来事を見せてもらったり、体験させてもらっていると、確実に近づいていってるのが素人の私でもわかるんです。

「体験や経験が価値になる」なら、全ての人にとって可能性が広がるじゃん!

そう思ったあの時の期待を胸に、これからもこの場を通してリアルタイムで起きていることをお伝えしながら、いつか私たちの生活に入ってきた時、みんなが活用できるように一緒に学んでいけたらと思います。

最後に


「AIについて色んな論争がありますが、大事なのは使い手がどう使うかなんです。」

サマースクール初日、主催者のこの言葉を聞きながら、私は以前ある方から聞いた話を思い出していました。

"草生さん、テクノロジーはいつもフラットなんです。善も悪もないんです。ただ使い手によって善にも悪にもなり得るということ。
例えば包丁があったとして、料理人が使えばそれは美味しい料理をするための道具になるし、ある人にとっては人を傷つける道具にもなってしまう。
だからといって包丁自体が悪いというわけではないですよね。
だって包丁に責任は問えないでしょう?
包丁という道具を善にするのも悪にするのも使い手次第。
テクノロジーもそれと同じです。"


AIやWeb3.0における新技術等、テクノロジーがどんどん進化していく中で、今私たちに必要な視点はまさにこれだと思います。

進化するテクノロジーとともに、私自身も学び、成熟し、より良い使い手になりたい。

3日間のプログラムを通して、技術だけではなく考え方や姿勢も学ぶ濃密な時間を過ごさせてもらいました。

今年の年末には卒業生の同窓会も開催されるようですし、これからもサマースクールの展開に注目していきたいと思います。


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