*本記事は連載記事「Web3.0 Journey!」の第6回目です
過去記事はこちら
>>Web3.0 Journey! Episode 04 : 落合陽一 サマースクール 2023 - 岩手町編 -
>>Web3.0 Journey! Episode 03 : 行動実績証明NFT+サイキックNFT
>>Web3.0 Journey! Episode 02 : NFTアート作品購入という体験
>>Web3.0 Journey! Episode 01 : 開かれた、扉
>>Web3.0 Journey! Episode 00 : それぞれが輝く、希望と可能性溢れる世界へ
「今度フランスのヴァルドワーズ県から使節団が来るので、彼らにARのフランス展開の説明をしようと思うのですが、同席できますか?」
開発者であるAR三兄弟の川田さんや一緒にプロジェクトを進められている方にお会いした時のこと。
「フランスでARの作品を発表したいと思ってるんです。」
「じゃあそこにNFTも絡めましょう!」
このような会話を聞いたのが今年の1月。
まさかこんなに早く次の段階へ進むとは思ってもいなかった。
*
これまで少しずつ体験したり目にしながらWeb3.0を学んできましたが、ここにきて私自身の理解が追いついていない状況です。
なので今回は「わからないながらも頑張って理解しようとしている私の頭の中」を整理しながら書き出したいと思います。
そもそも私はサイキックNFTに出会うまで、ARについては全く知識がありませんでした。
どのくらいの知識のなさだったかというと、
「(ARって)ヘッドセットつけるやつですか?」
「いやそれはVRです。ARはポケモンGOの方です。」
ほんとにスタートがここだったんです。
*AR : 拡張現実(Augmented Reality)の略称。拡張現実とは、現実の世界に仮想的な要素を重ね合わせる技術や体験を指します。- ChatGPTより-
その後、DIIさんが研究されている「AR Identity」の発表の場でサイキックNFTを体験しました。
NFTを活用することでデジタル空間における個人のアイデンティティ情報を実空間での与信として活用できる環境設計を推進し、実空間での個人の行動の幅を広げ、コミュニケーションの機会を創出する研究
※0:54から
この体験をしたことにより、ARの技術が加わるとNFTを実空間で利用することが可能になるということを学びました。
それは私がいつかこんなの作りたいなぁと思っていた「個人の経験を共有するNFT」の実現に近づいたということでもあります。
なので最初はてっきりこの話をフランスの方々にするものだと思っていました。
例えば日本に来たフランス人が自身の経験をNFTという形で日本の領土に残すことができたとしたら、未来の訪問者はそのNFTを利用することで他者の経験を追体験するということが可能になるからです。
けれど実際に話し合いの場に参加してみると、私の想像を遥かに超えた視点で会話が繰り広げられていました。
*
他者と自分の価値観の共有を考える領域
「XRの概念、この図の理解をお願いします。」
ARの話になるだろうから、ARについてもっと理解を深めておこうとしていた私にとって、今度は全く耳にしたことのない「XR」という言葉が出てきました。
調べてみたものの、どうしても世に出ているXRの概念と届いた論文に記載されているXRの概念が噛み合いません。
世に出ているXRの考え方は、仮想コンテンツとユーザーの現実を組み合わせたユーザーエクスペリエンスを実現すること。
けれど論文で提唱されているXRの概念とはこのようなものでした。
これら2つの考え方をWeb3.0 Journeyを通して今まで体験したことや学んだことと照らし合わせると、論文で提唱されているXRの概念の方が私にはしっくりきたんです。
最初はXRとWeb3.0って何の関係があるの?と思っていました。
けれどこの概念があるからこそ、個人と他者の価値観を共有する領域でNFTを活用するという発想が生まれ、個人の経験を価値化、他者の価値観を共有〜追体験が可能な世界の実現に向けて進んでいけるのかなと。
*
そして実際話し合いの中心にあったのは、まさにこのXRの概念やアイデンティティの話でした。
ARのフランス展開の話と聞いていたものの、それよりもまずは本質的なところを互いが理解し合い、その考えを共有できるかどうか。
同じ方向を向いているかどうか。
「AR Identity」のように新しいことを社会実装するためには、こういった土台があった上で次のステップに進めるんだということを、会話を聞きながら学ばせてもらいました。
例えば、私の世界ではWeb3.0やNFTに関する話になると、このように価値観やアイデンティティが議論の主要な要素になります。
そのためウォレットは「持ち主本人の価値観が詰まったもの」という理解です。
一方ではNFTを投機的に見る視点もあり、その場合、ウォレットは暗号資産を保管する財布という捉え方になります。
同じ物事でもどの視点で見るかによって捉え方が変わるので、結局のところは、
「自分がどんな世界を見たいか」
「どんな世界で生きたいと思っているのか」
ここなんだな、ということを改めて感じました。
フランスと日本では文化や社会の背景が異なり、言葉も違います。
しかし、私が感じるところでは、その場にいる皆が本質的なところで同じ視点を持っているからこそ、概念への理解と共有が早いのだと思いました。
なので話がとてもスムーズに展開されていくんです。
その会話の中で、川田さん(AR三兄弟)が今年発表された作品「文明単位のラブソング」にとても興味を持たれていたので、まずは第一弾として今年中にフランスで作品を発表する機会があるかもしれません。
*文明単位のラブソング:日本の歴史、時代単位で聞こえてくる音を、過去から未来へむかって吟じるパレード
今私は「AR Identity」が社会実装されていく過程を見るという、とても貴重な経験をしています。
なので目にしたことや起きていることを、なるべくリアルタイムにこの場を通してみなさんにシェアできればと思っています。
そして数年後、私たちが実際に活用するようになった時、振り返ってみるとおもしろいかもしれません。
まずはフランスでのAR作品発表。
フランス人はどのような受け取り方をするのか?
その次はどんな展開になるのか?
今からとても楽しみです。
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