Web3.0 Journey! Episode 15 : 行動実績証明のNFT - 計算機自然神社(デジタルネイチャー神社)の儀式体験
こんにちは!
前回の記事では、蛇窪神社で参拝履歴を記録するNFTを取得したことについてお伝えしました。
>>Web3.0 Journey! Episode 14 : Web3と神社の新たな出会い - 神社で体験するNFT参拝
このNFTを取得したことで、先日、新たな招待状NFTがウォレットに届きました。
この招待状NFTは、落合陽一氏が創建した「計算機自然神社(デジタルネイチャー神社)」で行われる「遷座式」と「鎮座式」という特別な儀式に参加する権利を示すものです。
これまでも、体験や経験が価値になるNFTをいくつか取得してきましたが、多くの場合、実証実験という段階で、その後どう活用するかの道筋はまだ十分に整っていませんでした。
しかし、今回は次のステップが開かれるのが非常に早く、保有するだけでなく、特別な儀式への参加という新しい経験に繋がる機会がすぐに訪れました。
この記事では、取得した招待状NFTを実際に活用し、デジタルネイチャー神社での儀式に参加した体験についてご紹介したいと思います。
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計算機自然神社の創建:新たな信仰の形
訪れたのは岐阜県飛騨高山にある、日下部民藝館です。
街並みにも趣がありますね。
日下部民藝館は、岐阜県飛騨高山に位置する歴史ある建造物で、国の重要文化財に指定されています。元々は江戸時代末期に建てられた商家であり、飛騨の匠の技術と美意識が反映された伝統的な造りが特徴です。立派な梁(はり)や木材の使い方、装飾が施された造りは、日本の民家建築の粋を体現しています。現在は、民藝品や飛騨地方の伝統工芸品を展示する博物館として一般公開されており、訪れる人々に日本の民藝文化と歴史を伝えています。
私が訪れた2024年11月4日は、落合さんのアーティストとしての側面である特別展「落合陽一 どちらにしようかな、ヌルの神様の言うとおり:円環・曼荼羅・三巴」の最終日でした。
そのため、儀式が始まる前に、展示作品を見て回ることにしました。
落合さんが探求してきた「計算機自然」の哲学。
私の知識では、彼の考えていることを理解するに至っていないというのが正直なところで、「ヌル(Null)の神様ってなぁに?」「オブジェクト指向菩薩ってなぁに?」と、今までの自分になかった世界観に触れ、私の頭の中は「?」はてなでいっぱい。
それでも展示される作品を見ているうちに、デジタルと自然、物質と非物質が繋がれていくような感覚になりました。
オブジェクト指向菩薩
そして印象的だったのが、多くの作品に音の表現が加わっていたことです。
それにより、ただ作品を眺めるだけでなく、五感を使って感覚的に受け取るものがありました。
目で見て、耳で聞いて、体で感じる―そんな体験が、私にとって新鮮で、記憶に残るものでした。
「ヌル(Null)の神様」というのは、存在するものと存在しないものの狭間にある「空(Void)」に迫った存在なのかもしれません。
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そして作品を見終わると、儀式に参加するために神社に向かいました。
こちらが今回新たに創建された「計算機自然神社(デジタルネイチャー神社)」です。
神社に足を踏み入れた瞬間、そのコンパクトさに少し驚きました。
それでも、そこに漂う空気感は、確かに「神社」であり、特別な空間だということを感じました。
神仏の世界にあまり詳しくない私ですが、この神社を目の前にした時、「神社って、大きさや形にとらわれないんだ」と新しい視点を得ました。
その気づきは同時に、自分の中に「こうあるべき」という思い込みがあって、まだまだ私は「枠」の中で物事を見ているんだな、と気づかされるきっかけでもありました。
特にDIIさんのプロジェクトに関わる方々の発想や考えを聞いていると、「枠」がないんですよね。
だからこそ、まだ世にない新しいことに挑戦し続けれるのかもしれません。
神社とデジタルがつながる新しい体験
遷座式(せんざしき):仮殿に御座する「ヌルの神様」を移動する儀式を始めるにあたって、iPadを手にした巫女さん(神職の方)が現れました。
この光景も私にとって新鮮で不思議なものでした。
「神社×デジタル」という発想がなかったからです。
実際には、儀式の最中の舞を踊る時に音楽を流すためのデバイスだったのですが、古典的な神社の風景と現代的なテクノロジーが共存しているそのコントラストが、とても印象的でした。
そして、いよいよ「遷座式(せんざしき)」が始まりました。
この儀式は、「ヌルの神様」が仮の場所から新しい神殿に移動し、正式にその場に鎮まることで、計算機自然神社が「祈りの場」として完成するというものです。
参列者たちは静かに見守り、厳かな空気の中で神様が移動される様子を目の当たりにしました。
私にとっても初めての光景であり、経験です。
参列者の中には海外から日本へ観光で訪れていた方々もいらっしゃったので、偶然その場に居合わせたことで、滅多に見ることができない特別な経験ができたのではないかと思います。
そして、「遷座式」に続いて行われたのが「鎮座式(ちんざしき)」です。
この鎮座式は、新しい神殿に移られた「ヌルの神様」が正式にその場所に落ち着くという、神聖な場面です。
厳かな空気の中で、神職の方々が神様を迎え入れ、少しずつ場が整っていく様子は、静かに新しいエネルギーを受け取っているかのようでした。
建物の構造上、参列者は間近で見ることはできなかったものの、皆で静かにその瞬間を見守っていました。
そして鎮座式の後には参列者にお酒が配られ、宮司(ぐうじ)の方と禰宜(ねぎ)である落合さんのお話を伺う機会もありました。
私にとってこのような儀式に参加するのは初めてのことだったので(長時間の正座も)、蛇窪神社で取得したNFTによって、このような経験をさせていただけたことに、とても感謝しています。
儀式に参加した証としてのNFT
鎮座式が終わった後は、この儀式に参加した証である「行動実績証明NFT」と取得しました。
このNFTは、ただのデジタルアイテムではなく、この特別な体験を「証」として記録してくれるデジタルの御守りのような存在です。
いつでもこのNFTを見返すことで、この場で感じた神聖な空気や、デジタルと伝統が交わる瞬間の記憶を思い返すことができます。
#正座を頑張った証
このような行動実績証明のNFTは、他の参拝者たちとの「共有の記録」でもあります。
通常の参拝では得られない「デジタルなつながり」が、この計算機自然神社を通じて実現されました。
新しい信仰の形としてのデジタルと伝統の融合
計算機自然神社での体験を通して、デジタル技術がどのように私たちの祈りや信仰に新しい意味を加えてくれるのか、その可能性や新鮮さを感じました。
テクノロジーが伝統に加わることで、祈りの場が物理的な場所を超えて広がり、他の人々とつながっていく新しい形の信仰が生まれているのだと。
今回の経験は、これからの時代における「新しい信仰の形」を示唆しているように思います。
デジタルと伝統が共存する未来が、さらに多くの人にとって身近になり、現代のテクノロジーが私たちの生活や信仰に新たな価値をもたらしてくれることを期待しています。
引き続き、DIIさんの活動を通して、Web3における新しい経験をたくさんしながら、皆さんへ情報をシェアしていきたいと思っています。
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